■1995年大会

開催国:南アフリカ
決勝:南アフリカ対ニュージーランド(15-12、延長戦)/会場:エリス・パーク・スタジアム(Ellis Park Stadium、ヨハネスブルク)
3位決定戦:イングランド対フランス(9-19)

 最初の2大会は出場を禁じられた南アフリカだったが、アパルトヘイトが撤廃されたことに加え、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)氏が黒人として同国初の大統領に就任したことによって、1995年大会では出場権を獲得しただけでなく開催地にも選ばれた。また、アマチュア競技としてのラグビーは、これが最後の大会になった。

 単独開催の利点を発揮するなど、大会ホストとして素晴らしい役割を果たした南アフリカは、マンデラ大統領と母国の後押しを受けながら、雨に見舞われるなどして大激戦となったフランスとの準決勝を順当に勝ち抜き、ジョナ・ロムー(Jonah Lomu)の活躍で勢いに乗るオールブラックスとの決勝に進出した。

 マンデラ大統領がスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)の主将フランソワ・ピナール(Francois Pienaar)の背番号6のジャージーを身に着けて観戦に訪れた決勝では、選手数人が食中毒に見舞われていたオールブラックスに対し、南アフリカはジョエル・ストランスキ(Joel Stransky)が延長戦でドロップゴールを決めてトロフィーを獲得。

 この大会の感動は映画の都、米ハリウッドにまで届き、2009年に公開されたクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督の映画『インビクタス/負けざる者たち(Invictus)』の題材となった。