【8月6日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と中国の貿易戦争が激化し、世界的に景気が減速する中、6月の米国の輸出額は全面的に減少した。米商務省が2日に発表した貿易収支報告で明らかとなった。

 米国の6月の貿易赤字は前月比0.3%減の552億ドル(約5兆8000億円)だったが、輸入に比べて輸出が急激に減少。米国の雇用を守り、貿易赤字を減らすと明言するトランプ大統領が強硬策を講じているにもかかわらず、今年上半期の赤字額は前年比7.9%増となり、第2四半期の国内総生産(GDP)成長を圧迫する可能性がある。

 トランプ氏は中国からの輸入品3000億ドル(約32億円)相当に対し、9月1日から新たに10%の追加関税を課すと述べ、中国政府に対する強気な制裁措置を強化。こうした中、輸出減と貿易見通しの悪化が生じている。

 中国政府は「報復措置」で応じる方針を表明している。経済専門家らは、この制裁措置の応酬が世界経済の成長を衰えさせ、国際通商の衰退を助長すると指摘している。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は今週、貿易政策によって不確実性が生じているとして、貸出利率を引き下げた。(c)AFP/ Douglas Gillison