【8月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が1日、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆円)相当に制裁関税を課すと発表したことを受け、中国政府は2日、「報復措置」で応じると警告し、米中の貿易戦争はさらにエスカレートしている。

 米国と中国は7月31日、1年にわたる貿易論争に終止符を打つことを目指して再開した貿易協議を行ったが、翌日にトランプ氏が対中追加関税を発表したことで、世界の株式市場に動揺が広がった。

 華春瑩(Hua Chunying)外務省報道官は定例記者会見で、「中国は強い不満と断固たる反対を示す」と表明。「米国が関税措置を実行するなら、中国は自国と国民の根本的な利益を断固として守るために必要な報復措置を取らざるを得ない」と述べた。さらに、中国政府は貿易戦争を望んでいないが「必要ならば戦うことも辞さない」と明言した。

 華報道官は具体的な措置の内容については明言しなかったが、中国政府は過去に米国のIT業界にとって不可欠なレアアースの輸出制限を示唆したことがある。中国政府はまた、「信頼できない」外国企業のリストを作成している。

 トランプ氏が発表した新たな追加関税によって、事実上、米中で取引される年間6600億ドル(約70兆円)相当の物品全てに関税が課されることになる。

 中国は、1100億ドル(約12兆円)相当の米国製品に関税を課しており、これは米国からの輸入品のほぼ全てに相当する。

 トランプ氏は、新たな追加関税を中国からの輸入品3000億ドル相当に10%の制裁関税を課し、9月1日に発動すると述べている。米国は既に中国からの輸入品2500億ドル(約27兆円)相当に25%の関税を課している。(c)AFP/Poornima Weerasekara with Sebastian Smith in Washington