【8月6日 AFP】陸上女子短距離のサリー・ピアソン(Sally Pearson、オーストラリア)が6日、度重なるけがとの闘いで、もはや競技を続けられなくなったとして、2020年東京五輪の開幕まで1年を切る中で電撃引退を表明した。

 現在32歳のピアソンは自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに、「陸上競技から退く決意をしたことを、ここで皆さんにお知らせします」「長い16年間を経て、今が潮時であり、そして新しい方向に進むべき時であると体が判断しました」「スタートラインでは、常に勝利への自信がありました。それが、もはやできるとは思えません」と投稿した。

 2012年のロンドン五輪で女子100メートルハードルの金メダルを獲得したピアソンは、同種目では五輪と世界選手権の大会記録を保持しており、2011年には国際陸上競技連盟(IAAF)の年間最優秀選手に選出された。

 ピアソンは地元テレビ局のインタビューで、9月に開幕する世界陸上ドーハ大会(IAAF World Championships in Athletics Doha)に向けた準備を進める中で、脚に数え切れないほどのけがをしていたことを明かした。一連の故障により、昨年母国で開催されたコモンウェルスゲームズ(2018 Commonwealth Games、英連邦競技大会)にも出場できなかった。

「人知れず今年は6回も負傷していた。そんな中で五輪に向けてもう1年練習に励んで金メダルを目指すなんて、この体に可能だとはとても思えない」「自分自身、もう一度そうした状況に身を置くことを望んでいるかも分からない」

「2018年はアキレス腱(けん)に悩まされ、母国開催のコモンウェルスゲームズにも出られず打ちのめされた。自分自身だけでなく体にとってもあんまりだと思った」 (c)AFP