【8月3日 AFP】薬物検査で陽性反応を示していたことが発覚した競泳女子のオーストラリア代表シェイナ・ジャック(Shayna Jack)が2日、同国の反ドーピング機関(ASADA)の責任者と面会し、「疑惑が晴れるまで立ち止まらない」と強気な姿勢を示した。

 昨年のコモンウェルスゲームズ(2018 Commonwealth Games、英連邦競技大会)で、世界記録を樹立した女子4×100メートル自由形リレーのメンバーだった20歳のジャックは、6月に行われた抜き打ち検査で筋肉の増量に効果がある禁止薬物リガンドロール(Ligandrol)が検出され、長期出場停止の可能性に直面している。

 先月韓国で開催された第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)では、同胞のマック・ホートン(Mack Horton)がドーピング検査を妨害した疑惑が伝えられている中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)に激しく抗議していたが、その直後にこの不祥事が発覚したことで、オーストラリアの水泳界は大きく面目を失う形となった。

 禁止薬物を故意に摂取したことを否定しているジャックは検査結果に関する状況説明のために、母国ブリスベン(Brisbane)でASADAの職員と面会。その後、報道陣に対して、「自分の無実が証明されるまで立ち止まらない。プールに戻るために闘っていく。なぜなら、水泳は私の夢であり、絶対に手放すつもりはない」とコメントした。

 さらに、問題の薬物がどこからきたもので、どのようにして体内に取り込まれたと思うか問われると、「まだ調査中なので、現時点では明確にできない」「詳しく精査しているところで、あらゆる手段を尽くしていくつもり」と回答した。

 ジャックのマネジャーを務めるフィル・ストーンマン(Phil Stoneman)氏は先日、問題の薬物はサプリメント錠剤から摂取したものではないとした上で、同選手の食事を調べていると説明。さらに、公共放送ABCに対して、「肉の可能性もあるし、キノコ類かもしれない。何だってあり得る。ボトルに何か入っていたのかも」「どうやって彼女の体内に入ったのかは、まるでジグソーパズルだ」と語った。

 一方、同日にはジャックの代理人がコメント文を発表し、プロセスの次の段階として「4~6週間ほどASADAとやり取りをする」と明かすと、「特に20歳の若者としては、シェイナはきょうの長く厳しいプロセスに非常に良く対応していた」と付け加えた。(c)AFP