【7月22日 AFP】第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)は21日、競泳男子400メートル自由形の決勝が行われ、中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)が史上最多となる同種目4連覇を達成したものの、2位のマック・ホートン(Mack Horton、オーストラリア)が表彰台に上がることを拒否するなど、レース周辺はとげとげしい空気に満ちていた。

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 大会直前に国際水泳連盟(FINA)の文書がリークされ、孫楊が2018年の抜き打ち検査で血液サンプルを金づちで破壊した件が報じられる中、熱戦を制した孫楊は水面をたたき、中国国旗を振る母国のファンを指さして喜びを表現。プールから上がると観客に向かってガッツポーズと雄たけびを繰り出した後、涙を流した。

 世界水泳10個目の金メダルを獲得した孫楊は、ホートンの行動について「僕のことが好きな人ばかりではないだろうし、それは気にしていない」と話しつつ、「僕個人を尊重しないのは構わないが、表彰式という厳粛な場では、僕の国に対する敬意は示すべきだ」と続けた。

 一方のホートンは「特に何か言う必要があるとは思わない」「彼の行動とその扱われ方が、僕が何か言う以上に雄弁に物語っていると思う」と素っ気なくコメント。ホートンは表彰台に上がらなかっただけでなく、中国国歌が流れた後の記念撮影でも、孫楊と一緒に喜ぶことを拒否し、対立は最後まで続いた。

 両者の険悪な間柄は以前からのもので、ホートンはこの種目の金メダルを獲得した2016年のリオデジャネイロ五輪でも、禁止されている興奮剤を使って3か月の出場停止を受けた孫楊を「薬物違反者」と呼んでいた。

 孫楊は3分42秒44で優勝。ホートンが3分43秒17で銀メダル、イタリアのガブリエーレ・デッティ(Gabriele Detti)が3分43秒23で銅メダルを獲得し、前回大会とまったく同じ順位と顔ぶれになった。(c)AFP/Alastair HIMMER