【8月8日 AFP】リオデジャネイロ五輪の競泳男子400メートル自由形で金メダルを獲得したマック・ホートン(Mack Horton、オーストラリア)が、孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ、中国)に「悪意ある人格攻撃」をしたとして、中国水泳協会(CSA)が謝罪を要求した。中国メディアが7日に報じている。ホートンはドーピング違反歴のある孫楊に批判的なコメントを残していた。

 6日のレース前、過去にドーピング違反をした孫楊や韓国の朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン)が五輪に出場することについて聞かれたホートンは、「薬物違反者には敬意もなければ関わっている時間もない」とコメントした。

 そしてレース後の記者会見で、自身の発言に憤る中国の記者になぜそのような言葉を用いたのかと質問されると、ホートンは発言を撤回することはなく、「私が『薬物違反者』という言葉を使ったのは、彼が陽性だったからだ」と応じ、会見場は張りつめた雰囲気に包まれ、中国関係者は怒りを爆発させた。

 中国水泳チームの監督は、国営新華社(Xinhua)通信に対し、「われわれはこの数日間にホートンが話したことを把握している。彼は中国の水泳選手に対し、悪意のある人格攻撃を行った」と主張し、「われわれは彼の不適切な発言が中国とオーストラリアの水泳選手を大きく傷つけたと考えている。マナーや教養が欠如している証拠だ。われわれはこの水泳選手の謝罪を強く求めている」と語った。

 孫楊は2年前の薬物検査で陽性反応が出たため、秘密裏に3か月の出場停止処分を受けたが、禁止薬物の摂取は動悸をおさえるためでやむを得なかったとしている。しかし、リオ五輪に出場する選手の中には、2012年のロンドン五輪で400メートル自由形と1500メートル自由形のメダルを獲得した孫楊の出場を認めるべきではないと主張する選手もいた。

 7日に行われた男子200メートル自由形の予選で最速タイムを計測した孫楊は、騒動について反論することを拒んでおり、「私は潔白だ。自分が潔白であることを証明してきた。オーストラリアが仕掛ける心理戦に乗るべきではない」とコメントしている。(c)AFP