【7月16日 AFP】ツール・ド・フランス(2019 Tour de France)は15日、第10ステージ(サンフルールからアルビ、217.5キロメートル)が行われ、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のルーキー、ワウト・ファン・アールト(Wout van Aert、ベルギー)がステージを制した。

 一方、総合首位に立つドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)は、勝負を仕掛けるには最適な環境をつくり出す細い道に横風が吹き荒れる残り38キロ付近に差しかかると猛スパートを開始し、メイン集団を分断して総合争いでリードを広げた。

 さらに古風な街アルビ(Albi)まで続くことになった激しいデッドヒートには、総合連覇を目指すゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)を擁する強豪チームイネオス(Team Ineos)も割って入る展開となった。

 総合順位ではトーマスがトップから1分12秒差で2位、チームメートのエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)が同1分16秒差で3位につけており、さらに11秒差でファン・アールトの同僚ステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)が4位につけている。

 総合3位で今ステージに臨んだグルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)は、同胞のアラフィリップから2分33秒遅れの同11位に後退した。

 ステージの優勝候補と目されていたトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)を筆頭に、ピノやアスタナ(Astana Pro Team)のヤコブ・フグルサング(Jakob Fuglsang、デンマーク)、そしてEFエデュケーションファースト(EF Education First)のリゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran、コロンビア)は、そろってトップから1分40秒遅れてゴール。

 モビスター・チーム(Movistar Team)のミケル・ランダ(Mikel Landa、スペイン)は、2分以上の差をつけられてのフィニッシュとなった。

 元兵士で27歳のアラフィリップは、「集団を分断するチャンスがあると分かっていた」とすると、「自分には大きな目標があり、毎日このジャージーを守っていく」とコメントした。

 一方、ステージ優勝を果たしたファン・アールトは、高速スピードのレース展開で消耗したトップスプリンターを退け、ツールでは初の勝利を手にした。今回がツールデビュー戦で、シクロクロスから転向して以降クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(Criterium du Dauphine)でステージ2勝を記録している同選手は、予測不可能となっている今大会で新たなスターとして名乗りを上げた。

 第2ステージのチームトライアルを制しているチーム・ユンボ・ビスマにとっては、マイク・テウニッセン(Mike Teunissen、オランダ)とディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)に続き、今大会では3人目のステージ優勝となった。

 16日に最初の休息日を迎える今大会は折り返し地点に差し掛かり、トゥールーズ(Toulouse)まで平坦コースとなっている第11ステージに続き、いよいよ本格的な山岳ステージに突入する。(c)AFP/Damian MCCALL