【7月15日 AFP】ツール・ド・フランス(2019 Tour de France)は14日、第9ステージ(サンテティエンヌからブリウド、170.5キロメートル)が行われ、ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のダリル・インピー(Daryl Impey、南アフリカ)がステージ優勝を果たした。また、フランス革命記念日(Bastille Day)を迎えた地元フランスのファンの前で、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)が総合首位を維持した。

 七つの山岳がそびえる過酷な第8ステージを終え、サッカーフランス・リーグ1、サンテティエンヌ(AS Saint-Etienne)のホームスタジアムから祝日のお祭りムードの中で始まったステージは、南アフリカ王者のジャージーをまとうインピーら、序盤に飛び出した大人数の逃げ集団がメイン集団にいきなり10分の差をつけると、その後もリードを広げ続けてその差を16分にまで拡大した。

 連覇を目指すチームイネオス(Team Ineos)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)ら総合勢も、無理をして逃げの14人に追いつこうとはせず、ステージはそのまま波乱なくインピーの優勝で幕を閉じた。インピーは「とてもタフなレースだった。7月14日に勝つことができてすごくうれしい」と話した。

 地元フランスのファンは、多くがアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)やアラフィリップに大きな声援を送った。

 総合タイムでアラフィリップと約3分差のバルデは、こちらも総合優勝を狙うトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)らとともに終盤の峠でアタックしたが、結局はイネオス勢とグルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)勢に吸収され、その後は誰かが仕掛けることはなかった。

 軍隊経験を持ち、今回のツールには無欲で臨んだアラフィリップは「一生忘れられない1日になった」「これだけの人に名前を叫んでもらって本当に感激だし、ゴール地点には僕の祖父も来ていたから、本当に格別だ」と話した。(c)AFP