【6月28日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は28日、大阪で開幕した20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて行われたアフリカ3か国首脳との会談で、保護貿易主義と「いじめ」が国際秩序を脅かしていると警告した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との首脳会談を翌日に控え、米国をけん制した形だ。

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 今回のG20首脳会議は、米中の貿易戦争、地政をめぐる緊張増大、気候変動問題における意見の相違など、問題が山積みとなる中での開催となった。

 習氏と南アフリカのシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領、エジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領、セネガルのマッキ・サル(Macky Sall)大統領との会談後に行われた中国外務省の記者会見によると、参加4か国の首脳全員が、一国主義、保護貿易主義、国に対するいじめの増加が、経済のグローバル化や国際秩序に深刻な脅威を投げ掛け、途上国の外的環境に難題をもたらしていると力説したという。

 アフリカの首脳らも口にした形になってはいるものの、一国主義、保護貿易主義、いじめと言った言葉は、中国政府がトランプ政権を批判する際に常用している。このため、29日に予定されているトランプ氏との首脳会談で、習氏が厳しい態度で臨むとの見方も出ている。(c)AFP