■「一つのミスもない」

 今季も長谷部は小さなけがをした昨年12月を除いてフル稼働しており、フランクフルトはトップ4フィニッシュと初の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)出場権獲得を目指している。

 ニコ・コヴァチ(Niko Kovac)前監督からチームを引き継いだヒュッター監督は、ピッチ上における長谷部の規律に驚かされたと話した。「けがをするまでの2か月半、ボールのあるなしに関係なく、彼のミスを一つも目にしなかった」

「彼はスルーパスに対して驚異的な目を持っていて、守備でも非常に早い段階でボールの場所を予測することができる」「彼がAFCの最優秀国際選手賞を受賞しても驚きはなかった。間違いなくその賞にふさわしい」

 ブンデスリーガのウェブサイトで長谷部は先月、自身の多様性がドイツでの成功のポイントだと話した。「適応能力が重要だ。自分は多くの異なるポジションでプレーできる」

 すでにドイツでリーグ優勝とカップ戦制覇を経験している長谷部は、今季フランクフルトでヨーロッパリーグのタイトルを取り、もう一歩先へ進みたいと考えている。

 シーズン終盤で疲労がピークに達する中、フランクフルトはチェルシーに対して勝ち目が薄いとみられているが、サプライズを起こすためには長谷部の経験がこれまで以上に必要となる。

「集中し続けること、謙虚な姿勢を保つことが必要」と話す長谷部。少なくともミスをせず周りを輝かせる彼に限っては、集中力や謙虚さという部分の問題はないだろう。(c)AFP/Kit HOLDEN