【4月21日 AFP】フランスの義肢メーカーが、図柄や彩色を施したファッショナブルな人工義肢の開発に取り組んでいる。

 フランスの義肢装具メーカー、アルゴ・オルトペディ(ALGO Orthopedie)とU-エグジスト(U-Exist)の2社は、通常は肌と同じ色に着色されるプラスチック樹脂製の義肢のイメージを刷新する試みを行っている。

「おばあちゃんのストッキングをはかせたような義足ではやぼったい」というのは、2004年に仏北西部ブルターニュ(Brittany)地方で創業したアルゴ・オルトペディの経営者で、整形外科医でもあるアラン・ルグエン(Alain Le Guen)氏だ。

 ルグエン氏は義足に「少しアートの要素を取り入れて」「足を見せることを恥ずかしいと思わない」ようにしたいという。カラフルな義肢は、使用者が自身の障害を受け入れるための一助にもなると考えている。

 同氏の会社は、この数年間で急速な成長を遂げた。2016年に製作されたデザイナー義肢はわずか10点ほどだったが、現在は50点ほどに増えた。義肢の価格は、1点につき約2万5000~2万6000ユーロ(約310万~330万円)。フランスの保険制度で通常、購入費用は助成対象となる。

 同社製の義肢の使用者らは、自信にあふれているようにみえる。ブルーノ・ポール(Bruno Paul)さん(55)は、黄色とオレンジ色のダイヤモンド柄の義足を着けている。

 金属加工の作業員だった彼は、2016年に片足を失った。それよりも20年近く前、鋳物工場で作業中に事故に遭い、足の切断を回避するために約20回もの手術を繰り返した末のことだった。

「私の片足はもうない。それがまだあるかのように振る舞う必要はない」「カラフルな義足と一緒に自分の障害を受け入れたい」とポールさんは語った。