■慣習の打破

 もう1社のU-エグジストは、2014年に義肢製作分野に参入。年間150~200人の義肢デザイナーを養成している他、ファッショナブルな義肢に特化した商品ラインを展開している。

 同社の創設者で取締役のシモン・コリン(Simon Colin)氏は「義肢の見かけが良くないという点はさておき、率直に言って、人体をまねてつくられる義肢は人を欺こうとするものだ」と語る。

 コリン氏が義肢のデザインに興味を持ったのは、個人に合わせてカスタマイズされた義肢が使用者に与える影響について研究を行った学生時代にさかのぼる。彼は義肢のデザインにアートセラピーのような効果があると強く信じている。

 コリン氏によると、フランスでは毎年約25万人が義肢を使用しており、約16万人の義肢が新たに製作されているという。(c)AFP/Sandra FERRER / Brant DEBOER