【4月1日 AFP】ウクライナのアーティスト、ダリア・マルチェンコ(Daria Marchenko)氏(37)がこのほど、チョコレート王とも呼ばれるペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領の肖像画をチョコの包み紙を使って制作した。

 ポロシェンコ氏はチョコレート会社「ロシェン(Roshen)」で財を成した富豪で、2014年にウクライナ大統領に選出された。先月31日に行われた大統領選の第1回投票では約18%を獲得し決選投票に進む見込みだが、約30%を獲得したコメディアンのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)氏に大きく引き離されている。

 マルチェンコ氏は「(チョコのような)甘い社会を実現してくれると期待したが、そうではなかった」と語り、ポロシェンコ氏の大統領就任から5年が過ぎたが、当時抱いた期待は実現されていないと批判した。「私たちは何を手にしたのか? 残されたのは空の包み紙だけだ」

「汚職の顔(The Face of Corruption)」と題された今回の作品で、ポロシェンコ氏のしかめっ面は約20キロの色とりどりのチョコの包み紙を使用している。その背景は薬きょうでできているが、これはウクライナ東部で続く軍と親ロシア派武装勢力との戦闘で使われたものだという。巨大な作品は、キエフにあるマルチェンコ氏の部屋の壁の半分を占めるほどの大きさだ。

 ポロシェンコ氏は、汚職撲滅とロシアの支援を受ける東部の分離派との戦闘を終わらせると主張し、大統領の座に就いた。だが、第1期政権でいくつかの改革が実施されたものの、汚職は依然としてはびこっている。戦闘ではこれまでに約1万3000人が死亡している。

 マルチェンコ氏は、薬きょうを使って制作したロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の肖像画でも知られている。(c)AFP/Theo MERZ