【3月5日 AFP】ルネサンスの巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の代表作「モナリザ(Mona Lisa)」に酷似している裸婦画について、所蔵するフランスの美術館は4日、ダビンチ本人が手掛けた可能性が濃厚だと明らかにした。

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 ダビンチのアトリエで制作されたとされる、セミヌードの女性が描かれた木炭画「モナバンナ(Monna Vanna)」は、パリ北部シャンティイ(Chantilly)のコンデ美術館(Conde Museum)に所蔵されている。

 この裸婦画について、ダビンチの最大コレクションを所有する仏ルーブル美術館(Louvre Museum)系列のフランス美術館修復研究センター(C2RMF)の専門家チームが、数か月をかけて検証したところ、作品を再評価する必要が生じたという。調査は歴史家や科学者も交えて行われた。

 調査のかじを取ったコンデ美術館のキュレーター、マチュー・デルディク(Mathieu Deldicque)氏はAFPに対し、「ダビンチが作品の大部分を描いた可能性が非常に高い」と明かし、「偉大な芸術家が手掛けた、非常に質の高い作品だ」と述べた。

 デルディク氏によると、裸婦画は「油彩画の習作として描かれたものであることはほぼ確実」で、両手や体つきはモナリザとほぼ一致するという。また顕微鏡による調査の結果、裸婦画は左上から右下に向かって描かれたことが判明。これは左利きの画家が描いたことを示しているという。1519年に死去したダビンチは、歴史上最も有名な左利きの画家だ。

 この裸婦画は今年、ダビンチの死後500年を記念するコンデ美術館の特別展に出品される予定だという。(c)AFP/Pascale MOLLARD, FRANCOIS GUILLOT, Fiachra GIBBONS