【2月6日 AFP】友人女性がレイプされたことに報復するため、無作為に黒人を攻撃しようとしたことがあると告白し広く非難を浴びている北アイルランド出身のハリウッド俳優、リーアム・ニーソン(Liam Neeson、66)は5日、自分はレイシスト(人種差別主義者)ではないと訴えた。

 ニーソンは、米ABCニュース(ABC News)の番組で「私はレイシストではない」と主張する一方、約40年前に親しい友人の女性から黒人にレイプされたと告げられた後、「攻撃への根源的な衝動」を覚えたと認めた。

 自身が出演するハリウッドのアクション・スリラー映画『コールド・パースート(Cold Pursuit)』のプロモーション中のニーソンは、英紙インディペンデント(Independent)のインタビューの中で、主に黒人が居住する地域に乗り込み、パブから出てきた黒人が自分に対してけんかを売ってくれば相手を殺せると考え、「1週間か1週間半」ほどの間、重りを入れたこん棒を手に歩き回ったと告白していた。

 ニーソンがインディペンデント紙に語ったところによると、被害者の女性に犯人が何者なのか分かるかと尋ねたが、知らなかった。それから肌の色を尋ねると、「黒人」と答えたという。「彼女がアイルランド人かスコットランド人、英国人、リトアニア人と答えたとしても、私は同じようなことをしていたはずだ。私はこうした恐ろしく古くさいやり方で義を示そうと、親友のために立ち上がろうとした」

 結局、暴力沙汰は一度も起きなかった。ニーソンは、「私はそのことにショックを受け、傷ついた。助けを求め、聖職者を訪ねた」と回想し、自分は人種差別主義者ではなく、自身が取った行動は社会における人種問題についてのより広範な議論の必要性を強調するものだと訴えた。

 映画『コールド・パースート』は、息子を薬物犯罪組織に殺されたニーソン演じる父親が犯人らを追うストーリー。このテーマが、ニーソンが過去の秘密を告白するきっかけとなったとみられる。ニーソンの告白は大きな批判を招いたが、擁護する声も上がっていた。(c)AFP/James HIDER