【1月10日 東方新報】中国・貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)雲岩区衛生・計画生育局は7日、女子学生(19)が鼻の整形手術のため死亡と発表した。病院側の医療ミスなどの存在については現在、同市の専門部門が調査を進めている。

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 なくなったのは、大学2年の夏麗莎(Xia Lisha)さん。報道などによると、3日午後、同市の美容整形医院で鼻の整形手術を受けた。本来は4時間前後で終了する手術だが、家族は7時間後に連絡を受け、夏さんはその後亡くなった。

 医院関係者によると、夏さんは術後に全身麻酔による併発症の一種「悪性高熱症」を引き起こしたとみられている。

 病院側は手術前、「今回の手術にはリスクはない」と自信を見せて説明したという。しかし、患者よりもビジネスとしての利益を優先した病院は、手術によるリスクの可能性を無視、あるいは隠し、今回の「注文」を受けた。その結果、病院側は術後の原因には客観的な要因があったとし、責任逃れをしたのである。

 特に理解しがたいのは、夏さんの母親に対して、病院はのらりくらりの対応だったことだ。救急治療のため別の病院に搬送したことも明らかにせず、病院は家族に真実を伝えることもしなかった。最終的に、冷たくなった娘の遺体だけが家族の元に届けられた。

 このような劣悪なやり方は、重大な法律違反であるとともに、倫理や道徳に反する深刻な問題である。

 今回の問題について病院側は、「医鬧(訳注:Yinao、医療事故を口実に患者家族や集団で病院に騒ぎを起こす人たちのこと)とは断固として戦う」と声明を発表しているが、説得力は皆無である。夏さんの死因について具体的な調査も実施せず、何が「医鬧」なのか。

 医療ミスなどの存在については今後のさらなる調査が待たれる。

 近年、中国で急激な発展を見せる美容整形業界。しかし同時に問題にも事欠かない。以前、医学を勉強したことのない者が、鶏の足で何度か注射の練習をし、患者の顔にヒアルロン酸の注射を打ち、患者を失明させたという報道や、また美容整形に関する誇大広告も常軌を逸しつつある。これらは最終的に大きな危害を及ぼすことは必至だ。

 このようなことから、業界の規範や監督・管理体制の強化が急がれている。以前の報道によると、政府関連部門から依頼を受けた中国整形美容協会は2018年末、「医療美容サービス管理弁法」の改訂・起草作業を進めており、すでに9度目の改訂を行っているという。

 段階を踏んで各制度の改善を進め、美容整形の混乱した状況が徹底的に排除されることを期待したい。当然、夏さんの死因の解明が急務だ。死因の徹底的調査と病院側責任などを明らかにし、世間に伝えていかなければならない。(c)東方新報/AFPBB News