伝説のキューバ産ラム酒めぐる仁義なき戦い 「本家」はどっち?【再掲】
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■「私たちがキューバ人じゃないなんて言わせない」
1993年、同社はスピリッツで世界第2位だったペルノ・リカールと合弁企業を設立し、その後ペルノ・リカールは、「ハバナクラブ」の名を使っていたバカルディを訴えた。
ペルノ・リカール側は、プエルトリコで造られているライバル社のラムは新興の商品であり、そのラムこそがオリジナルであるとの「虚偽の主張」でバカルディは消費者を欺いていると糾弾した。
バカルディはこれに激しく反発し、自社ブランドのキューバ起源とレシピの正統性を主張。「カストロ政府によって盗まれた商標を認知しない」という新法を提案した米フロリダ州議員らの支持も取り付けた。
今年1月、同社はキューバ系米国人がフロリダ州マイアミ(Miami)のリトルハバナ(もしくは本物のハバナだろうか)を歩きながら、ふるさとについての詩を読み上げるCMを打ち出した。
「故郷を追われたが、故郷が私たちを捨てることはない。この流浪の旅がどこに行き着くとしても、私たちが故郷の島のムジカ(音楽)と、その地で生まれた琥珀(こはく)色のラムを忘れることはない」
「私たちがキューバ人じゃないなんて言わせない」
さらに今月、バカルディはニューヨークで、アレチャバラ家の歴史と「キューバ政府が消し去ろうとしたレガシー(先人の遺物)」を伝える劇とテイスティングを行うイベントを開催した。