【11月19日 AFP】(写真追加)18日に行われたF3マカオGP(2018 Macau Grand Prix)決勝で、17歳の女性ドライバーが、マシンが高速で宙を舞う壮絶なクラッシュを起こした。ドライバーは背骨を折る重傷を負ったが、意識はあり、命に別条はないという。

 事故を起こしたのはファン・アメルスフォールト・レーシング(Van Amersfoort Racing)のソフィア・フローシュ(Sophia Floersch)で、16番手で走っていたフローシュは、ギア・サーキット(Guia Circuit)の「リスボア」と呼ばれる右への急カーブ手前の直線で他車と接触。マシンのコントロールを失い、縁石に乗り上げながらトムス(TOM's Racing)の坪井翔(Sho Tsuboi)のマシンに当たって高く跳ね、マーシャルとカメラマンがいる場所のバリアーに突っ込んだ。事故の衝撃的な映像には、観客が息をのむ様子もとらえられていた。

 この事故で、フローシュの他に坪井とカメラマン2人、マーシャル1人が病院へ搬送された。フローシュは脊椎骨折で救急救命室へ運び込まれたが、生命兆候(バイタルサイン)は安定しているという。フローシュ本人がその後ツイッター(Twitter)で「取り急ぎお伝えします。私は大丈夫ですが、明日の朝に手術を受ける予定です。皆さんからの励ましのメッセージの数々に感謝します。またすぐに更新します」とファンに無事を報告した。

 複数のメディアが引用した大会組織委員会の発表には「搬送の時点で全員に意識があり、現在は治療を受けているところです。新しい情報が入りましたら、可能な限り早くお知らせします」と書かれている。巻き込まれたマーシャルは顎の骨を折り、他に1人が肝臓を損傷して腹部の痛みを訴えているという。

 欧州F3選手権(FIA European Formula 3 Championship)王者で、元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーのミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の息子ミック(Mick Schumacher)も、「全員の無事と回復を願っている」とコメントした。

 マカオGPの会場である有名なギア・サーキットでは、過去に少なくとも3人が亡くなっている。2017年のモーターサイクル部門では、英国のダニエル・ヘガティ(Daniel Hegarty)氏が「フィッシャーマンズ・ベンド」のコーナーでバリアーに衝突し、命を落としたほか、2012年には同じくバイクの選手が2日間で2人死亡した。

 レースはレッドブル・ジュニアチーム(Red Bull Junior Team)の19歳、ダニエル・ティクトゥム(Daniel Ticktum)が制した。マカオGPは過去にミハエル・シューマッハ氏やアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏といったF1の名ドライバーも優勝している由緒ある大会。(c)AFP