ロンドン裏通りの倉庫から世界へ、名刺代わりのアートコレクション 英
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【12月31日 AFP】 英ロンドン中心部の裏通りを下ったところにある一見普通の倉庫に、絵画やスケッチなどのアート作品が多数並べられている。これらの作品は、世界中の英国大使館などで英国の「ソフトパワー」を発揮する日が訪れるのを待っているのだ。
ガバメント・アートコレクション(Government Art Collection)は、英国の作品を中心に約1万4000点近い美術品を所蔵している。200年以上かけ集められたもので、世界各地の領事館、大使公邸、政府機関に飾られてきたものだ。
この中には、ルシアン・フロイド(Lucian Freud)や、現在首相官邸があるダウニング街(Downing Street)に住んでいたジョン・コンスタブル(John Constable)による肖像画、在バーレーン英国大使館の壁に飾られていたバーバラ・ヘップワース(Barbara Hepworth)のシルクスクリーン、米首都ワシントンに飾られていたダミアン・ハースト(Damien Hirst)とウィリアム・ホガース(William Hogarth)の作品などが含まれている。
ディレクターを務めるペニー・ジョンソン(Penny Johnson)氏はAFPの取材に対し、「芸術作品は会話のきっかけとなり、人と打ち解ける手段となる。さらに、英国の偉大な創造性を世界に紹介する役割も果たす」と語った。
集められた作品の中には、大使が個人的に選んだものや、その土地にインスピレーションを得て制作されたものもある。
例えば、英画家ブリジット・ライリー(Bridget Riley)は1982年の作品「Reflection」で、古代エジプトの絵描きたちが使っていた色を使った。この作品は現在、エジプト首都カイロの英国大使館に飾られている。
ガバメント・アートコレクションが所有する美術品のおよそ3分の2は、150以上に及ぶ世界中の都市にある英政府機関のどこかに常に飾られている。だが、作品の状態はまちまちだ。
遠方の地では、酷暑や虫が原因で作品が破損する恐れがあるため、額縁の裏に銀色のテープを貼る「熱帯用の処置」を行った上で提供することもある。