【9月10日 AFP】中国サッカー協会(CFA)は10日、2020年東京五輪出場の担い手として、同国のU-21代表チームの新指揮官にフース・ヒディンク(Guus Hiddink)氏を招聘(しょうへい)すると発表した。

 中国では現在A代表の監督を2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)でイタリアを優勝に導いたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏が務めており、71歳になるヒディンク氏は同氏とともに中国を強豪国に成長させるための重要な役割を担うことになった。

 70歳のリッピ監督が2016年から率いているA代表は、着実に実力が向上していると見られる一方で、W杯ロシア大会(2018 World Cup)の出場権を逃したほか、国際サッカー連盟(FIFA)のランキングも75位に沈んでいる。

 ヒディンク氏の監督就任に際し、CFAは「もっとも重要な任務は2020年の東京五輪に出場することだ」と発表している。

「今後はヒディンク氏やコーチ陣の指導の下、21歳以下の選手たちは五輪出場の夢を追うことになる」

 中国メディアによると、2015-16シーズンにイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)で暫定指揮官を務めていたのが最後の仕事となっているヒディンク氏は、手取りで400万ユーロ(約5億1800万円)の年俸を受け取るとされている。2020年東京五輪を見据えて同氏を招へいするとみられる中国は、政府自らが熱心な政策を掲げて市民レベルから代表チームに至るまでサッカー界の底上げを目指している。

 リッピ監督と同様にクラブや代表チームの指揮官として経験豊富なヒディンク氏は、チェルシーで2期にわたり暫定監督を務めていたほか、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)やバレンシア(Valencia CF)、オランダ・エールディビジのPSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)などを率いた経歴を持っている。

 同氏はまた、2002年のW杯日韓大会で韓国の指揮を執り、まさかのベスト4入りを果たした実績が最も知られている。(c)AFP