同性婚をめぐる世界の状況
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【9月9日 AFP】世界には同性愛を罪とみなす国が数多く残っており、中東地域やアフリカの一部の国では極刑の対象にもなっている。
その一方で、同性婚や同性婚カップルの養子縁組を認めている国もあり、最近ではインド最高裁が、同性間の性行為禁じる法律を違憲だとする判断を下している。
以下、同性愛や同性婚をめぐる世界の状況をまとめてみた。
■アフリカ:多くの国では違法
アフリカでは、約30か国が同性愛を違法としており、モーリタニア、ソマリア、スーダンでは法に触れると死刑が科される。
同性間の性行為を違法としていないアフリカの国は、チャド、コンゴ民主共和国、ガボン、コートジボワール、マリ、モザンビークと数えるほどしかない。
同性婚を認めているのは南アフリカのみで、2006年に合法化された。同国ではまた、同性カップルの養子縁組、生殖補助医療による出産、同性愛カップルの代理母出産を認めている。
■中東:抑圧的
比較的保守的な中東地域では、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など数か国で、同性愛は死刑に値する罪と考えられている。
同性愛者の権利という点で先進的なのはイスラエルだ。それでも同性婚をめぐっては、国外でのものは有効と認めているが、国内での結婚やシビルユニオンは認めていない。養子縁組は可能だ。
7月には同性愛カップルの代理母出産を認めない法律が可決されたことに抗議して、エルサレムとテルアビブで大規模なデモが行われた。
レバノンも他のアラブ諸国に比べて同性愛に対する態度は寛容だ。
■アジアでの前進
アジアには同性愛に寛容な国が多い。そして、タブーも次第に少なくなっている。これは、ベトナムやネパールなどの国でも同様だ。
アジア地域で最初に同性婚を認めることになりそうなのは台湾だ。昨年5月、最高裁が同性婚禁止について憲法違反との判断を下しており、当局に2年以内の合法化を命じている。フィリピンの最高裁も6月、同性婚に関する審理を開始している。
中国では、同性愛は1997年までは犯罪行為と位置づけられ、その後も2001年までは精神疾患とみなされていた。保守的な姿勢と差別は今も広く残っている。
アジア地域で同性愛が違法とされているのは、バングラデシュ、マレーシア、パキスタンなどの国で、刑事施設への収容、またはむち打ちの刑に処される。