【6月24日 AFP】アルビン・チャン(Alvin Chan)さん(34)とパートナーのC・P・ソー(C.P. So)さん(34)は、香港で家族や友人に祝福されて結婚式を挙げる日が来るとは想像もしていなかった。

 チャンさんとソーさんは1年前に英国で婚姻届を出した。保守的な香港で結婚式を挙げることを不安に思っていたが、牧師の勧めによって小規模なお祝いを開くことにした。だが、香港の同性カップルの多くと同じように、結婚式は密室で行った。香港では、同性結婚は法律で認められていない。

 欠席する家族もいるが、多くは結婚することさえ知らされないという。チャンさんのきょうだいは結婚式に出席したが、両親は出席しなかった。「とても残念です」とチャンさんは語った。チャンさんはAFPの取材に対し、「結婚しようと決めたら、家族から祝福を受けたいと心から願うものだが、彼らの考え方は古い。残念だ」と述べた。

 ソーさんとチャンさんはいずれもキリスト教徒として育ったので、自分たちの性的指向は隠すべきだと感じ、2人の関係は秘密にしていた。ソーさんは2004年に両親に打ち明けたが、チャンさんはまだ両親に打ち明けることをためらっている。

 結婚式を執り行ったジョー・パン(Joe Pang)牧師(37)は自身も同性愛者で、ソーさんとチャンさんのような同性愛者のカップルがプレッシャーや偏見が残る香港で結婚式を挙げられるよう取り組んでいる。

 パン牧師は自身が属する香港を拠点とする教会「基恩之家(Blessed Ministry Community church)」を、アジアで最初の同性愛者に配慮したキリスト教団体だと説明する。

 パン牧師は複数のキリスト教系団体で認められる結婚証明書を発行している。LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)が社会で公平に扱われていると感じられるようになってほしいという。