■今日の政治は「恐怖から生まれた政治」…オバマ氏

 しかしオバマ氏は今日の政治は「公の討論が狭量で卑劣でつまらないものとなり、大げさな言葉や侮辱の応酬に見える」ことがあまりにも多いと指摘し、「それは勇敢さやしたたかさを取り繕ってはいるが実際には恐怖から生まれた政治だ。ジョンはそういったものよりも大きくなることをわれわれに求めている」と述べた。

 ブッシュ氏はトランプ氏の長女のイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)大統領補佐官とその夫のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)大統領上級顧問が参列した中、「おそらく、ジョンは何よりも権力の乱用を忌み嫌っていた。偏屈で威張りくさった暴君には我慢ならなかったはずだ」と述べた。

 トランプ政権からはジョン・ケリー(John Kelly)大統領首席補佐官、ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官も参列した。

 葬儀にはビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領とヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官夫妻、アル・ゴア(Al Gore)元副大統領、ディック・チェイニー(Dick Cheney)元副大統領、ジョー・バイデン(Joe Biden)元副大統領、ヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)元国務長官、マドレーン・オルブライト(Madeleine Albright)元国務長官、ジョン・ケリー(John Kerry)元国務長官ら、米政界の新旧の大物が党派の垣根を越えてそろい踏みした。

 さらに、米国だけでなく世界各国の要人も出席。主催者が公表した出席者名簿によるとウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領やロシア野党のウラジーミル・カラムルザ(Vladimir Kara-Murza)氏らが出席した。マケイン氏は生前、ロシアのウクライナへの武力侵略に対する反対運動を支援していた。

 トランプ大統領だけでなく、2008年大統領選でマケイン氏の副大統領候補だったサラ・ペイリン(Sarah Palin)元アラスカ州知事も葬儀に招待されなかった。ペイリン氏は極右の政治運動とつながり、白人アイデンティティー政治を助長したとみられている。(c)AFP/Michael Mathes