【5月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、ツイッター(Twitter)で、北朝鮮が同国の拘束下にあった米国人3人を解放したことを発表し、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長との首脳会談を前にした外交的勝利に喜びの意を示した。

 米当局者によると、3人は北朝鮮政府から「恩赦」を与えられ、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官と共に米国への帰途に就いている。

 3人のうち、農業専門家のキム・ハクソン(Kim Hak-song)氏、元大学教授のキム・サンドゥク(Kim Sang-Duk、別名トニー・キムTony Kim)氏は2017年に拘束された。また、60歳代の韓国系米国人実業家で、牧師でもあるキム・ドンチョル(Kim Dong-Chul)氏は、2016年に労働教化刑10年の有罪判決を言い渡されていた。

 米ホワイトハウス(White House)によると、3人はいずれも介助なしで歩いて米空軍機に乗り込み、ポンペオ長官と共に北朝鮮を出発した。

 また、東京の米空軍横田基地(Yokota Air Base)では、より医療設備の充実した航空機が待機していた。

 トランプ大統領はツイッターで、北朝鮮による3人の解放は「友好を示す行為」だと評した。大統領は、ポンペオ長官と3人の「賓客」は10日午前2時(日本時間午後3時)に首都ワシントン(Washington D.C. )郊外のアンドルーズ空軍基地(Joint Base Andrews)に到着すると明かし、自ら出迎える意向を示した。

 米朝首脳会談について、米当局者らによれば微調整が残されているものの、トランプ大統領は、日時と場所は決まったと語っている。

 大統領は、会談の詳細は政府から「3日以内」に発表があると記者団に述べる一方、開催地は北朝鮮と韓国を分ける非武装地帯(DMZ)にはならないとの見通しを示した。他の開催地候補にはシンガポールなどが挙がっている。(c)AFP/Andrew BEATTY