【5月6日 AFP】非武装地帯(DMZ)への立ち入りが制限されている韓国で、南北首脳が握手した歴史的瞬間を再現しようと、南北を分断する軍事境界線上の板門店(Panmunjom)を模した映画セットに観光客が殺到している。

 先月27日に行われた南北首脳会談での北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領をまねて、大勢の観光客がコンクリートブロックで隔てられた「境界線」で握手。手をつないで北側に入って南側に戻り、テレビで生中継された場面を再現している。

 訪れた主婦(44)はAFPに対し「学校の授業で(南北首脳が握手した)あの有名な場面をテレビで見た子どもに、ここに行きたいとせがまれた」と語った。

 また南部昌原(Changwon)から来た男性(46)は、南北の「和解を祝う」ため観光に訪れたと語った。

 このセットは、朴贊郁(パク・チャヌク、Pak Chan-wook)監督の映画『JSA(JSA:Joint Security Area)』の撮影用に建てられたもの。

 韓国映画振興委員会(Korean Film Council)の南楊州総合撮影所(Namyangju Studios)は首都ソウル東郊に「板門店」を含め3か所の映画セットを所有している。

 しかし同撮影所は来年、南部釜山(Busan)に移転予定で、この映画セットは解体されることになっている。このため「板門店」観光をすることができるのは5月いっぱいまでとなっている。(c)AFP