【5月9日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は8日、今年3月に行われたフランスとの国際親善試合でサポーターが人種差別的なチャントを行ったとして、ロシアサッカー連合(RFS)に3万スイスフラン(約330万円)の罰金を科したと発表した。

 W杯開催国ロシアのサンクトペテルブルクでフランスが3-1で勝利した一戦では、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属するポール・ポグバ(Paul Pogba)やFCバルセロナ(FC Barcelona)のウスマン・デンベレ(Ousmane Dembele)が、モンキーチャント(猿の鳴きまね)の標的となった。

 W杯の開幕を約1か月後に控え、ロシアにおける人種差別行為への懸念が最近の一連の事件で高まっているなか、今回の処分を下したFIFAは「映像証拠の再検証を含む徹底的な捜査」を実施したとした上で「事件の深刻さ」に言及した一方、「関わったファンの数は限定的」だったと述べている。

 欧州サッカーの反人種差別団体(FARE)の報告によると、2016-17シーズンのロシア国内の試合では、人種差別行為や極右的な事件が89件に上ったという。数字はその前の3シーズンとほぼ同じで、サッカー界の差別をなくそうという同国の取り組みがほとんど実を結んでいないことがうかがえる。(c)AFP