【4月29日 AFP】22年間率いたイングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)を今季限りで離れることが発表されているアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督が、これまで幾度となく舌戦を繰り広げてきたジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督率いるマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)との最後のライバル対決を前に、友人になれるかはともかく、「穏やかな」最後を望むと話した。

 先日アーセナル退任を発表した68歳のベンゲル監督は、モウリーニョ監督が2004年にチェルシー(Chlelsea)の指揮官に就任し、ベンゲル監督のアーセナルからあっという間にプレミアの覇権を奪っていった頃から、つかみ合いに発展するほどの激しい口論をたびたび見せてきた。

 しかしモウリーニョ監督は、ベンゲル監督の退任発表に際して温かい言葉を贈り、「いずれは友人になることも」できるかもしれないとほのめかしている。

 これを受けてベンゲル監督は「それは状況次第だ。もちろん、私も彼をリスペクトしている。最後の数週間くらいは少し平和に過ごさせてほしいし、みなさんには、また私たちをぶつけ合おうとしないよう、お願いしたい」と話した。

「私は穏やかに去りたい。モウリーニョ監督ともね。彼は偉大な指導者だ。私は皆にさようならを言いたい。フランスでは、私たちは『オー・ルヴォワール』と言う。また会いましょうという意味だ」

 モウリーニョ監督以前のユナイテッドとの対戦でも、アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)元監督とよくやり合っていたベンゲル監督だが、ファーガソン氏が2002年に一度引退を考えた際、当時ユナイテッドの会長を務めていたマーティン・エドワーズ(Martin Edwards)氏から後任の打診があったという。

 結局ファーガソン氏はその後に考え直して指揮官をさらに11年続けたが、ベンゲル監督は、当時のアーセナルの「価値」を考えれば、仮にファーガソン氏が辞めていても仕事は引き受けなかっただろうと話している。

「私は多くのクラブの誘いを断ってきた。それはアーセナルが新スタジアムを造っていた時期にクラブへ残り、課題に向き合うためだ。そのことに後悔はない。自分の生きがいを見つけられたし、それが自分にとって重要なことだからだ」

 アーセナルは昨シーズン末の対戦では2-0でユナイテッドに勝利したが、今季1回目の対戦では敗れている。チームはオールド・トラフォード(Old Trafford)でのユナイテッド戦の後、5月3日にはアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)とのヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)準決勝第2戦に臨む。アーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアム(Emirates Stadium)での第1戦は1-1の引き分けに終わっており、決勝進出はこの第2戦にかかっている。(c)AFP