【3月29日 AFP】欧州連合(EU)統計局(Eurostat、ユーロスタット)は28日、EUおよび加盟各国の2016年の合計特殊出生率を発表した。国別の1位はフランスの1.92、2位はスウェーデンの1.85だったが、人口維持に必要な目安である人口置換水準の2.1を下回った。

 一方、最下位のスペインとイタリア(いずれも1.34)をはじめ、下位には経済問題を抱える国の多い南欧諸国が並び、おおむね北欧諸国を下回った。

 ユーロスタットの最新の統計によると、2016年の欧州連合(EU)加盟28か国の出生数は計514万8000人で、2015年の510万3000人から増加した。

 EU全体の合計特殊出生率は1.60で、ユーロスタットが「先進国の人口置換水準」と見なす2.1を大きく下回った。

 フランス、スウェーデンに次ぐ3位はアイルランド(1.81)で、4位にはデンマークと英国(いずれも1.79)が並んだ。

 ドイツでは出生率が1.59だったのに対し、出生数が記録的水準の79万2131人に上った。移民の大量流入でドイツ人以外の女性による出産が増加したことが押し上げ要因となった。

 ドイツ連邦統計局(Destatis)が28日発表した統計によれば、出生数の増加率はドイツ人女性の約3%に対し、ドイツ人以外の女性では25%に達した。

 ユーロスタットによると、初産の平均年齢はEU全体が29歳で、最も低いブルガリアは26歳、最も高いイタリアは31歳だった。(c)AFP