【12月8日 AFP】米国を代表する女子アルペンスキーのスター選手、リンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)が7日、平昌冬季五輪終了後にホワイトハウスを表敬訪問するつもりはないとして、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領へ抗議の姿勢を示しているほかのアスリートに同調した。大会終了後の恒例行事となっている表敬訪問について、米国代表チームとして参加するかどうか問われたボンは「絶対にいや」と答えている。

 現在33歳のボンは、米CNNのインタビューに対して、来年2月に開催される平昌五輪で母国を代表することは誇りであるとしながらも、政府を代表することは考えておらず、「そうですね、大統領のことは除いて、米国人を代表することを望んでいます」と語った。

「私は五輪の意義、役割、そして母国の国旗の下で開会式を行進することについて、とても真剣にとらえています。私は母国の良き代表になりたい。ですが、現政権にはそれを実行している人々がたくさんいるとは思えません」

 米代表チームのなかで間違いなく最も知名度の高い選手であるボンは、通算4度のW杯総合優勝を成し遂げているほか、2010年バンクーバー冬季五輪で滑降の金メダルを獲得したが、2014年のソチ冬季五輪はけがで欠場した。

 今回のボン以外にも、米国を代表するアスリートたちはこぞってトランプ政権に反発の姿勢を示している。今年はじめには、米プロバスケットボール協会(NBA)のゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)に所属するステフェン・カリー(Stephen Curry)が、ホワイトハウスの招待を辞退する意向を示した。

 するとトランプ大統領は即座にウォリアーズの招待を取り消し、ツイッター(Twitter)に「ホワイトハウスへの表敬訪問は、チャンピオンチームにとって栄誉だと考えられている。ステフェン・カリーが躊躇(ちゅうちょ)しているようなので、招待状は取り下げる」と投稿した。

 これに対して、クリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)のレブロン・ジェームズ(LeBron James)は、カリーの代わりに、「ばかだな。カリーはそもそも行かないことを明言している。だから招待なんて存在しない。あなたが現れるまで、ホワイトハウス訪問は名誉なことだった!」とやり返していた。(c)AFP