【3月18日 AFP】米国のアルペンスキー界で最も輝かしい成績を収めてきたリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)は、すでに来年の平昌冬季五輪からその先まで見据え、新たなレガシーを積み重ねることに集中している。

 10代でデビューを果たした2000年以降、世界各国で行われるW杯にほぼ人生の半分を費やしてきた32歳のボンは、来年2月に韓国で開催される冬季五輪で金メダルの数を増やすべく集中力を高めるため、2018-19シーズンもW杯に参戦することを決断した。

 ボンは「すでに来年の計画を立てています。2月までどのようにして健康でいられるか、順調に物事を運べるように常に前を見据えています」とすると、「目標は2月に向けて、健康でいることと自信をつけること」と語った。

 2010年のバンクーバー冬季五輪では滑降を制し、スーパー大回転でも銅メダルを手にしたボンだったが、2014年のソチ冬季五輪は右膝の負傷で出場できなかった。

 W杯では2007-08、2008-09、2009-10、2011-12年の総合優勝に加え、種目別では滑降の計8回、スーパー大回転の計5回、複合の計3回と合わせて通算20個のタイトルを手にしているボンは、通算勝利数でも女子歴代1位の77勝を挙げており、男女を通じて史上最多記録であるインゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏の通算86勝に近づいているが、五輪イヤーに掲げる到達点はそこではない。

「来季は五輪に集中することになります。もう一年スキーを続け、五輪を終えたあとの世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships)にも集中するので、来季はあまり自分に重圧をかけすぎないようにします」

 ボンは今年1月、ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘン(Garmisch-Partenkirchen)で行われたW杯第5戦で、昨季種目別連覇を果たした滑降を制し、W杯では昨年2月以来の勝利を飾った。

 しかし、練習中の事故で右腕を骨折したため今季はスタートが遅れており、復帰戦となったオーストリアのアルテンマルクトでは13位に終わっていた。ボンは「悪い状況のなかでもベストを尽くした」と述べている。

「いつも自分に大きな期待をかけて、高いレベルを維持するようにしています。今回は明らかに、こうした高いレベルには達しておらず、現実的に自分の状況と向き合わなければなりませんでした」

 滑降では昨年までの9年間で計8回にわたり種目別のタイトルを手にしてきたボンは、けがで出遅れた2016-17シーズンは同種目でどうにか総合4位につけると、「総合的に考えれば、まずまずのシーズンでした。この状況では最大限の結果です」と語った。(c)AFP/Jerome RASETTI