中国教育科学研究院の儲朝暉(Chu Zhaohui)研究員は、「成績次第で子どもが将来どの学校に行くかが決定されるため、学校へのプレッシャーもますます大きくなっている。学校で負担しきれずに保護者へもそのプレッシャーが回ってくる」と分析する。「多くの親が、学校の詰め込み教育の片棒を担がされている。子どもの成績のために喜んで手を貸す親もいるが、消極的な親もいる」

「親の宿題」現象について、「教師の教育責任意識が希薄になり、責任を保護者に転嫁している」と63.3%の回答者が感じている。「子どもが学習課題に身が入らず、積極性も低下している」が54.9%、「家校共建(訳:家庭と学校共に教育する)の精神を曲解している」が49.3%だった。これに対し、「正常な現象。親は子どもの教育に関して第一責任者である」と答えた回答者は、19.5%だった。

 儲研究員は、「家庭教育と学校教育の機能、目標、定義は異なる。家庭教育は主に子どもの生活能力と人とのコミュニケーション能力などを育て、学校教育は主に子どもの考える力、判断能力や学習能力を高めることにある」と考えている。アンケートでも、67.5%の回答者が「親の責任は主に子どもの健全な人格を育てること」、64.3%が「子どもの品格を育てること」、61.3%が「生活において自立できる能力を育てること、50.7%が「子どもの興味や趣味を育てること」だと答えた。

 重慶市の李さんは、子どもの能力以上の宿題を減らし、家庭と学校間の連絡方法を考え直すなどして、「教師と保護者はお互いにもっと尊重しあうべきだ。われわれの子どものためという共通の目標を持っているのだから」と話した。

 儲研究員は、「『家校共建』の前提は学校教育と家庭教育の境界線をはっきりさせること。保護者と教師は平等であるべきだ。親の方が子どもを理解している部分も多いのに、ほとんどの親は無条件に教師に従っている」と話した。(c)東方新報/AFPBB News