【11月3日 東方新報】中国の大学では遠方出身の学生も多く、寮に住むが者が多い。寮では、何人かが一つの部屋に同居する。北京理工大学(Beijing Institute of Technology)中関村(Zhongguancun)キャンパスに、話題の寮はある。

 一見普通の4人部屋。そこへ、この部屋の住人の1人、宋善台(Song Shantai)さんが戻ってきて、机に向かうなり論文を修正し始めた。午後3時30分までに提出しなければならないと急ぐ宋さんの手元を見ると、パソコンは開いていない。ただ机を指で叩いているだけのように見える。なるほど、よく見ると机の上にバーチャルキーボードが映し出されていた。ブルートゥースを使って、携帯電話の画面に原稿を表示し、修正が済んだら携帯電話から教授へ直接、メールで送信できる。「急いでいる時でも、パソコンを起動する時間もかからない」。朝のうちに提出したければ、ベッドの中からでも送信できる。

 部屋にあるゴミ箱も、普通のものとは少し違うようだ。底面に車輪が四つ付いている。「ラジコンカーのシャシを改造したものだよ」。同じくこの部屋の住人、黄暁峰(Huang Xiaofeng)さんが説明する。黄さんの専門は工業デザインで、製品の内部構造のスペシャリストだ。ラジコンとゴミ箱を合体させ、「呼べば来る」ゴミ箱を作ったのだ。

 黄さんがゴミ箱の説明をしていると、部屋のエアコンのスイッチが入り、設定温度が25度に設定された。だが、この部屋の誰もエアコンのリモコンを触っていないようだ。「きっとほかの住人が、部屋の外からつけたんだと思うよ」。黄さんによると、部屋の中には温度センサーが付いており、外にいても携帯電話で部屋の中の温度を確認でき、エアコンの操作もできるという。これなら帰宅前にあらかじめ、部屋を温めておくことができる。しばらくすると、エアコンをつけた鄧亜東(Deng Yadong)さんが部屋に帰ってきた。