【9月11日 CNS】日本ではまだまだだが、いま「eスポーツ」が世界を席巻している。eスポーツとは、電子機器を用いて行う競技性の高いゲームのこと。香港(Hong Kong)特別行政区政府もeスポーツを経済発展の潜在力を持つ新たな領域と見込んでいる。ある調査によると、回答した半分以上が「eスポーツは香港で一大ブームを巻き起こす」と答えたという。

 香港互聯網註冊管理有限公司(HKIRC)が2017年7〜8月に実施したアンケートで、回収した887人分のうち53.6%の人が、eスポーツは今後、香港でどんどん発展するだろうと答えており、53.9%の人がプロのeスポーツ選手に対し、肯定的なイメージを抱いている。また56.5%の人が、政府はeスポーツの発展を支持すべきだと答えた。

 香港観光発展局が以前に主催した第1回香港eスポーツフェスティバルは、eスポーツが多くの人の目に触れ、社会に浸透する呼び水となった。香港eスポーツ総会の楊全盛(Yang Quansheng)副主席は、「韓国は2005年にすでにeスポーツ産業に力を入れていた。香港も出遅れたものの負けてはいない。サービス産業や観光業の発展、ITインフラの完備、豊富なスポーツ競技の開催経験、国際化の基礎地盤もeスポーツを支える上で役に立っている」と話した。

 中学2年生の陳朗陶(Chen Langtao)君の母親は、「息子がeスポーツを始めたときは、ゲームにのめり込んでしまったと心配し、激しい言い争いになったこともありました。その後、息子とのコミュニケーションを通して少しずつeスポーツというものを理解しました。確かに、eスポーツをきっかけに息子は明るくなったと思うし、ゲームを通じて学ぶこともあると考えるようになってきました。eスポーツが2022年アジア競技大会の正式種目として取り入れられることを知り、息子のeスポーツの夢を全力で応援したいと思っています」と話した。

 一方、上記の調査では9.5%の人がプロのeスポーツ選手に対して否定的なイメージを抱いており、主な理由は収入が不安定だからだと答えた。香港ゲーム創作協会の方力浩(Fang Lihao)主席は、「香港にはたくさんのゲームデザイナーが存在する。海外のプロのeスポーツ選手が現役を引退後にゲームデザイナーを始めて、大きなゲーム会社の社長になったという話もある。また韓国ゲーム産業の大成功を裏で支えているのは、eスポーツだとも言われている。ゲーム開発とeスポーツは切っても切れない関係だ」と話した。eスポーツに夢中になっている中学生の陳君は、「eスポーツ関連以外で将来の仕事として興味があるのはゲームデザイナーかな」と答えた。(c)CNS/JCM/AFPBB News