■有用なデータだが…

 デンマーク・リグスホスピタレット(Righospitalet)病院の男性不妊治療専門家、マーティン・ブロムバーグ・イェンセン(Martin Blomberg Jensen)氏によると、今回の研究にはこれとは別の制約もあったという。

 今回の研究では、さまざまな国や研究所でさまざまな人々から採取したサンプルの比較を行っているが、精子数の変化を確認するためには、健康な男性のグループを長期にわたって観察する「前向きコホート研究」として知られる方法を用いるのが最善と考えられた。

 ただ、1996年~2010年にデンマークで実施された前向きコホート研究の結果については、今回の最新の数字を裏付けてはいないと、ブロムバーグ・イェンセン氏は指摘している。

 英シェフィールド大学(University of Sheffield)のアラン・ペーシー(Allan Pacey)氏は今回の最新研究について、有用なデータを提供しているが「論争はまだ解決されておらず、さらに多くの研究を重ねる必要があることは明らかだ」とコメントしている。(c)AFP