【6月26日 AFP】陸上男子短距離の元選手であるマイケル・ジョンソン(Michael Johnson)氏が、2005年以前に樹立された世界記録を白紙にする計画が、同競技の悪いイメージを払拭(ふっしょく)するとの考えに懐疑的な見方を示した。

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 欧州陸上競技連盟(European Athletics)は先日、陸上界でまん延するドーピング問題の一掃を目的として、厳格な基準を満たした世界記録のみが認可されるべきとする計画を提案した。

 しかしながら、今年8月に国際陸上競技連盟(IAAF)によって検討される今回の提案に対しては、現存の世界記録を保持する選手ら多くの人々から、ドーピング使用が広まる時代の影響に不当なあおりを受けていると批判の声が上がっていた。

 全米選手権(2017 USATF Outdoor Championships)が行われている米カリフォルニア(California)州サクラメント(Sacramento)で報道陣に対応したジョンソン氏は、問題となっている計画の実効性を疑っているという。

 ジョンソン氏はAFPに対し「この計画がどういった問題を改善するのか理解できない」、「私にとっては意味不明だ」と語った。

 また、自身が1993年に打ち立てた4×400メートルリレーの世界記録も抹消される可能性があるジョンソン氏は「陸上競技が抱えているすべての問題の中から、今回の計画が何を改善するのか私に説明できる人がいるのなら、これが本当に効果があるのか検討する」と話した。

 同一の五輪で200メートルと400メートルの2冠を達成した唯一の選手となったジョンソン氏だが、自身が過去に樹立した同種目の世界記録は、それぞれウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)とウェイド・バンニーキルク(Wayde van Niekerk、南アフリカ)に破られている。(c)AFP/Rob Woollard