【4月30日 AFP】女子テニス、ポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2017)は29日、シングルス準決勝が行われ、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は6-3、5-7、4-6でクリスティーナ・ムラデノビッチ(Kristina Mladenovic、フランス)に敗れ、薬物使用による15か月間の出場停止処分から復帰を果たした大会は、自身の「特別待遇」に対して特に批判的だった選手に敗れる形で幕を下ろした。

 対戦したムラデノビッチは、以前からシャラポワの復帰の過程を公然と批判していた選手で、前日には今大会とマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)、そしてイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)で主催者推薦(ワイルドカード)を得られたのは「特別待遇」だと話していた。

 シャラポワは試合後、「怒ってはいません。第2セットでリードした際、そのチャンスを生かせれば良かったけれど、そこから少しペースを落としてしまいました。相手に集中しなおし、自信を深めて良いプレーを出す隙を与えてしまった」と語った。

 一方、2時間38分の激闘を制したムラデノビッチは、「タフな相手で、1球目からすごく積極的でした」とシャラポワをたたえ、「序盤は苦しんだけれど、なんとか粘って戦えたし、それが報われてすごく満足しています」とコメントした。

 ムラデノビッチは決勝で、ラウラ・シグムンド(Laura Siegemund、ドイツ)と対戦する。シグムンドは6-4、7-5で第4シードのシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)を破って勝ち上がった。

 大会が始まった時点では世界ランキングがなかったシャラポワだが、今回の4強入りで260位まで復帰する。シャラポワは敗因について、体力不足は否定したものの、長期離脱の後だけに実戦経験を増やす必要があると話した。

「大会が始まった時点ではここまで来られると思っていなかったから、すごく幸せ。自分のプレーには本当に満足している。コートに出たときにどれだけやれるか不安はあったけど、しっかりした土台ができたと感じているし、ここを出発点にしたい」

 シャラポワが全仏オープンテニス(French Open 2017)に出場できるかは、5月16日以降に発表される主催者の判断に委ねられる。(c)AFP/Ryland JAMES