【4月27日 AFP】北朝鮮は、米国との間で緊張が高まっていることを受けて、「核による大量虐殺」が起こり得ると警鐘を鳴らし、それを防ぐために東南アジア諸国に対して支援を求めていることが、AFPが入手した北朝鮮外相の書簡で分かった。

 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ、Ri Yong-Ho)外相は東南アジア諸国連合(ASEAN)の事務局長に宛てた書簡の中で、朝鮮半島(Korean Peninsula)における現在の状況は、米政府の行動が原因で「戦争の瀬戸際」にあると警告。また、米韓の合同軍事演習を長々と批判する一方で、ASEAN加盟国10か国の外相に朝鮮半島の「深刻な状況」について事務局長が通知し、同時に適切な提起を行うよう求めている。

 AFPが入手した北朝鮮の書簡のコピーには3月23日と記されていた。

 書簡はまた「周辺地域の平和と安定を重要視するASEANが、公平な立場から(ASEAN)首脳会議で米韓の合同軍事演習を争点とし、朝鮮半島の平和と安全を守るために積極的な役割を担うことを期待する」と述べている。

 李外相は書簡でさらに、米韓の合同軍事演習は北朝鮮の核兵器開発を正当化するものだとし「瞬時に朝鮮半島を核による大量虐殺に追い込むことができる核攻撃の手段を配備するということは、そうした演習の性質が防衛のためということではありえないのは誰の目にも明らかな事実だ」と述べている。

 ASEAN首脳会議は今週、フィリピンのマニラ(Manila)で開かれる予定となっており、朝鮮半島情勢についても議論が交わされる見込み。(c)AFP