【5月17日 AFP】性産業に従事するメイ(May)さんは、タイの軍事政権が性産業を管理しようとしているにもかかわらず、同国の「シン・シティー(Sin City、罪の街)」として知られるパタヤ(Pattaya)は生き残ると自信満々に予測する。

 メイさんが強気なのは、性産業に従事する他の大勢と同じく、今の仕事を辞める気などさらさらないからだ。それに性産業目当てにタイを訪れる大勢の外国人観光客が減少する気配も全くない。

 首都バンコク(Bangkok)から東に約2時間の距離にあるパタヤには、ベトナム戦争(Vietnam War)時代に、休暇中の米軍の兵士たちが羽目を外して楽しむ場所としてわい雑なイメージがついた。

 そのイメージが今では金を生み、同国の性産業従事者の中には、月に、国民の平均賃金の最大10倍となる7万~15万バーツ(約23万~49万円)を稼ぐ人たちもいる。

 しかし未成年の性産業従事者、薬物の乱用、犯罪組織による性産業ビジネスの運営などがパタヤの評判をさらに汚しているばかりか、国のイメージへの影響を懸念する声が上がっており、当局は行動を起こさざるを得なくなっている。

 トランスジェンダーのメイさんによると、軍事政権による浄化対策の一環で警察官や兵士たちが頻繁に巡回していることを受け、パタヤはここ数週間、いつもより活気がないような気がするという。

 パタヤから性産業を引き離すことは、果てしない無駄な仕事の極致だと考えている人は少なくないかもしれないが、そんな仕事に当たっている地元の警察幹部は「われわれはみだらで下品なショーを抑制している。こうした店を消し去ろうと努力している」と語る。