■自分の名前をサインできる誇り

 バングルや鼻ピアスをつけた女性たちがたどってきた人生は、みなどこか似ている。幼少期に兄弟たちが教育を受けている間、女性たちは家にとどまっていた。若くして結婚した女性たちに期待されたのは、子どもを育て、家事をすることだった。

 ジャナバイ・ダジケダルさん(75)は「兄弟たちは学校へ行ったけれど、私にはその機会が与えられなかった」と語り、「銀行ではいつも、母印を押さなければならなかった。これは不名誉なことで、私は恥ずかしかった。今は自分の名前をサインできることを誇りに思う」と続けた。

 施設は、地元の慈善財団からの出資を受けている。学校設立のアイデアを思い付いたのは、パンガンの小学校で昨年まで3年間教師をしていたヨゲンドラ・バンガーさん(41)だ。

 バンガーさんは、女性に対する敬意を醸成するための重要な役割をこの学校が果たしていると語る。意図的に選んだカラフルな制服もその一つ。他の村にとっていい先例になりたいとも思っている。

「おばあちゃんたちの大半は夫を亡くしていて、(本来なら)喪に服していることを示す白い服を着なければならない。私たちはこうしたタブーや、その他の古い伝統を打ち破り、すべての人が差別されることなく平等なコミュニティーの一員であると感じられるようにしたい。ピンクの制服はこうした理由から選んだ」とバンガーさんは語った。 (c)AFP/Peter HUTCHISON