【3月17日 AFP】国家安全保障問題担当の米大統領補佐官を辞任したマイケル・フリン(Michael Flynn)氏が、ロシア企業などから5万5000ドル(約620万円)を受け取っていたことが分かった。民主党議員が16日公開した文書で明らかになった。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とのパーティー出席などへの報酬という。

 報酬の中には、フリン氏が2015年12月にロシアの国際テレビネットワークRTがモスクワ(Moscow)で開いたパーティーへ出席した報酬3万3000ドル(約370万円)が含まれている。米国政府はRTをロシアの情報機関の一部門とみている。このパーティーでフリン氏はプーチン氏とテーブルを共にしていた。

 フリン氏がこのパーティーに出席したことはよく知られていたが、民主党のイライジャ・カミングス(Elijah Cummings)議員が公開した文書で、フリン氏へ支払われた報酬額が初めて明らかとなった。同議員は、フリン氏がロシア企業などから報酬を受け取ったことが国防総省の規定に違反しないか調査を求めている。

 米下院監視・政府改革委員会(House Committee on Oversight and Government Reform)の民主党筆頭委員のカミングス議員は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領、ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官宛ての書簡で、フリン氏がロシアのチャーター機会社と、ロシアの有名なITセキュリティー会社カスペルスキー(Kaspersky Lab)の米国部門からそれぞれ1万1250ドル(約130万円)を受け取っていたと指摘している。

 また、フリン氏が昨年トルコのためのロビー活動のために53万ドル(約6000万円)の報酬で雇われていたことを、最近になるまで正式に報告していなかったこともカミングス議員は指摘した。

 カミングス議員は「大統領が指名した国家安全保障問題担当の補佐官が、米国憲法に違反してわれわれの民主主義を攻撃する世界の敵対勢力の工作員から多額の金銭を受け取っていたことなど、これまでの米国の歴史で聞いたことがない」と批判している。(c)AFP