【2月21日 AFP】ウクライナとロシアの紛争をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の顧問弁護士やウクライナの議員らが裏ルートの和平案を取りまとめ、国家安全保障問題担当の大統領補佐官だったマイケル・フリン(Michael Flynn)氏に提出していたことが分かった。ロシアがウクライナ東部から部隊を撤収させることを前提に、米国による対ロシア制裁の解除につなげる道筋が示されている。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が19日報じた。

 記事によると、提案書はトランプ氏の顧問弁護士であるマイケル・コーエン(Michael Cohen)氏がフリン氏の事務所に手渡したという。フリン氏はその後、トランプ政権の発足前に対ロシア制裁をめぐって駐米ロシア大使と協議したとされる疑惑で批判を浴び、辞任に追い込まれている。

 和平案を取りまとめたのはコーエン氏のほか、トランプ氏のビジネスパートナーのフェリックス・サター(Felix Sater)氏、ウクライナ議会のアンドリー・アルテメンコ(Andrii Artemenko)議員。サター氏はトランプ氏によるロシアでの案件探しを手助けし、アルテメンコ議員はウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領の失脚につながりかねない汚職の証拠を握っていると主張している人物。いずれも外交の素人だ。

 ニューヨーク・タイムズによると、提案はアルテメンコ議員が練り上げた計画に基づくもので、ロシアがウクライナ東部から全部隊を引き揚げることが不可欠としている。同時に、米政府による対ロシア制裁の解除に向けた道筋も示されている。

 2014年にロシアが併合したクリミアについては「ウクライナの有権者が、ロシアに50年ないし100年の期間で貸与するかどうかを国民投票で決める」と提案しているという。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は20日の記者会見で、この和平案については知らないと述べた。さらに「ロシアがなぜ自国の一部を貸すとのか。非常にばかげた案だ」と批判した。

 一方、ウクライナでもこの和平案にアルテメンコ議員が関わっていることに驚きが広がった。アルテメンコ議員が所属する少数派政党、急進党(Radical Party)は20日、同議員の除名を決めるとともに議員辞職を要求した。(c)AFP