仏極右党首、スカーフ着用拒み物議 レバノンのイスラム権威訪問で
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【2月22日 AFP】フランス大統領選に立候補している極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首が21日、訪問中のレバノンで、同国イスラム教スンニ派(Sunni)最高権威との面会のために求められたスカーフの着用を拒否し、物議を醸している。
首都ベイルート(Beirut)にある同国スンニ派最高権威機関ダル・ファトワ(Dar al-Fatwa)のトップ、アブドルラティフ・ドリアン(Abdellatif Deryan)師の事務所に到着したルペン氏は、髪を覆うためのスカーフを差し出されると、即座にこれを断った。
同氏は報道陣を前に、2015年にエジプトのスンニ派最高権威機関アズハル(Al-Azhar)を訪問した経験に言及し、「スンニ派の世界最高機関でもこのような要求は受けなかった、よって私にはそれに応じる理由がない」と述べ、「大ムフティーによろしくお伝え願いたいが、私は自分をスカーフで覆うことはしない」と言い切り、その場を立ち去った。
ルペン氏は、ドリアン師の事務所には前日の20日にスカーフを着用する意向がないことを伝えたものの「面会はキャンセルされなかったため、私がスカーフを着用しないことが受け入れられたものと思っていた」と述べている。
一方、ダル・ファトワ側はその後出した声明で、「広報部がルペン氏側近の一人を通じて、ダル・ファトワの儀礼にのっとり、ドリアン師との面会時には頭部を覆う必要について事前に知らせていた」と説明。「ダル・ファトワ職員らは、この広く知られた規則の遵守をルペン氏が拒否したことに驚いた」と述べている。
フランスでは、公共の場所で顔全体を覆うスカーフを着用することが禁じられており、イスラム教の服装が物議を醸すことが多い。
この日がレバノン訪問最終日となったルペン氏。今回の訪問では、国際舞台での影響力をアピールするため、ミシェル・アウン(Michel Aoun)大統領にも会い、同氏にとって初となる外国首脳との会談を果たした。(c)AFP