【11月25日 AFP】インドの警察当局は24日、東部コルカタ(Kolkata)近郊で、新生児の人身売買を行っていたとして産院の院長ら12人を逮捕したと発表した。容疑者らは、生まれたばかりの赤ちゃんをビスケットの空き箱に隠して産院から運び出していたという。

 警察は21日夜、違法養子縁組の疑いでコルカタ北方にある産院を強制捜索し、段ボール箱に入れられた生後3~5日の新生児3人を保護。院長を含む8人の身柄を拘束した。さらに23日、別の産院を摘発して4人を拘束した。

 警察では、この人身売買組織によって過去2年間に少なくとも45人の新生児が売買されたとみている。いずれの産院も、男児は20万ルピー(約33万円)、女児はその半額で売却していた。

 被害に遭った新生児の母親たちは出産後、赤ちゃんは死産だったと産院のスタッフから聞かされていたという。それでもわが子を一目見たいと望む母親は、悲惨な光景だとスタッフに脅され、大半の両親は赤ちゃんを見ることなく帰宅していた。

 この新生児売買には地域で少なくとも4つの産院が関与していた。新生児らは箱に入れられたまま共謀する慈善団体に預けられ、この慈善団体を通じて養子縁組あっせん事業者に引き渡されていた。こうして売買された新生児の中には、米国に引き取られた子もいたという。(c)AFP