【11月6日 AFP】男子テニス、パリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)で決勝進出を決めたアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が、自身初の世界ランキング1位に浮上することが決まった。5日の準決勝で対戦予定だったミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)が負傷棄権したため、マレーが29歳にして、長年1位に君臨したノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に代わって王座に就く。

 今季のマレーは、7月のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で自身2度目の大会制覇を果たし、8月のリオデジャネイロ五輪では金メダルを獲得するなど充実したシーズンを送ってきたが、その締めくくりとしてランキングの頂点に立った。

 マレーは「すごく満足できることだと思う。本当にね。キャリアを通じて、ランキング1位にはなかなか手が届かなかった。僕のまわりも、それに上の世代も素晴らしい選手ばかりだから」と語った。

「もちろん、きょうみたいな形で決まったのは残念だった。コートの上で決めたかったけれど、ここに来るまで長い道のりだった。自分が世界ナンバーワンになるなんて想像していなかったし、実現するとは夢にも思わなかった」

 前日の準々決勝でジョコビッチがマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に敗れたため、この試合に勝てば1位に浮上することが決まっていたマレーだが、前回の試合で右脚の筋肉を負傷したラオニッチが試合開始1時間前に慌ただしく棄権を発表したため、ボールを一球も打つことなく勝利を手にした。

 マレーは男子史上26人目の世界ランキング1位の選手となり、29歳での1位奪取は1974年6月に30歳で1位の座に就いたジョン・ニューカム(John Newcombe)以降では最年長となる。

 122週間にわたって守り抜いた王座から陥落することが決まったジョコビッチも、自身のスランプと反比例するかのような、今季後半のマレーの快進撃をたたえている。「間違いなく1位にふさわしい選手だ。これまで成績を考えれば、大いに尊敬すべきことなのは疑いようがない。この12か月間のレベルアップは驚異的だ」

 マレーは6日の決勝でジョン・イズナー(John Isner、米国)と対戦する。(c)AFP/Martyn WOOD