【11月5日 AFP】男子テニス、パリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)は4日、シングルス準々決勝が行われ、大会第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は7-6(11-9)、7-5で第7シードのトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)を退け、自身初の世界ランキング1位到達へあと1勝に迫った。

 同日の試合で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が4-6、6-7(2-7)で第9シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に敗れており、マレーの前に世界ランク1位への道が開かれた。

 第1セットではベルディハのセットポイントを7度しのがなければならないなど、いつも通りの立ち上がではなかったマレーだったが、終わってみれば2時間足らずで試合を制した。

 第4シードのミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)と対戦する5日の準決勝に勝利すれば、世界1位に122週間連続で君臨していたジョコビッチを追い越すマレーは、「今日の試合前には、大会序盤よりもいくらか緊張感があったけれど、そこから抜け出してしまえば、ほかの試合と違う感触はなくなった」とコメントした。

「今週、達成できれば最高だ。とはいえ、これから先もチャンスはあるので、今は自分に余計な重圧をかける必要はない。それでも、できれば明日はぜひとも実現したい」

■チリッチがジョコビッチに初勝利

 ジョコビッチとの直接対決では、これまで14戦全敗に終わっていたチリッチだったが、この日はストレートで勝利を収め、連敗記録に終止符を打った。

 大会記録となる通算4度の優勝を誇るジョコビッチが現地パリ(Paris)に到着した時点で、マレーより上位にとどまるためには決勝進出を果たすことが絶対条件となっていた。しかし、ジョコビッチは波に乗っているチリッチの前に精彩を欠き、大会4連覇の目標があっけなく終わりを告げた。

 29歳のジョコビッチは「マリンをたたえ、祝福する。今日は確実に彼のほうが上回っていて、勝者にふさわしかった」と話すと、「自分は本来のレベルではなかった。もっと良いプレーができるはずの場面もあったが、重要なところで実力を発揮できなかった」と語った。(c)AFP/Martyn WOOD