【8月17日 AFP】国際体操連盟(FIG)のブルーノ・グランディ(Bruno Grandi)会長が、「曲芸」のような技で女子種目別ゆかの金メダルを獲得したシモーネ・バイルス(Simone Biles、米国)よりも、銀メダルを獲得したアレクサンドラ・レイズマン(Alexandra Raisman)の「芸術的な」演技の方が好みだと話している。

 16日に行われた決勝では、サンバのリズムに乗せた力強くアクロバティックな演技を披露したバイルスが、ロシア民謡『カリンカ(Kalinka)』に乗せて演技したレイズマンを約0.5点差で抑え、金メダルを獲得した。

 これについて、現在82歳になるグランディ会長はAFPに対し、「唯一同意できないのは審判だ。これは個人的な意見であって、批判ではないが、わたしとしては2位の米国人(レイズマン)の体操の方が、1位(バイルス)よりも芸術的だった。1位の選手、あれは曲芸だ」と話した。

「芸術的な感覚は、選手の人間性はもちろんだが、体形にも影響される。彼女(バイルス)はまるで、ものすごい飛び上がる爆弾だ。芸術的な動きをしようとすると、どうしても無理をしているように見えてしまう。とはいえ勝ったのは彼女。そしてそれは不当な勝利ではない」

 現在19歳のバイルスは、初出場の五輪で団体、個人総合、跳馬、そしてゆかと、女子体操選手では史上最多に並ぶ4個の金メダルを獲得し、平均台でも銅メダルを獲得した。

 一方、これが2度目の五輪で、ロンドン五輪ではゆかの金メダルを獲得している22歳のレイズマンは、団体では五輪連覇を達成したが個人総合とゆかではバイルスの後塵を拝した。(c)AFP