【8月15日 AFP】露パラリンピック委員会は15日、国家ぐるみの組織的なドーピングをめぐり同国に科されたリオデジャネイロ・パラリンピック出場禁止処分に対して、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したことを明らかにした。

 露パラリンピック委員会のウラジーミル・ルキン(Vladimir Lukin)会長は先日、「われわれ以上にドーピング撲滅に取り組んできた組織はない」と主張し、出場禁止処分の撤回を求める法的措置を取る意向を示していた。

 露パラリンピック委員会は声明で、CASに15日付で訴状を提出したことを発表。審理は21日に行われ、22日には裁定が下されるだろうとしている。

 国際パラリンピック委員会(IPC)は7日、世界反ドーピング機関(WADA)が公表したカナダの法学者リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏による調査報告書に基づき、ロシアをリオ・パラリンピックから全面的に除外することを発表。この決定を受けてビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)露スポーツ相は、「信じられない」とコメントしていた。

 IPCは全会一致でロシアの出場禁止が決まったとしており、フィリップ・クレーブン(Philip Craven)IPC会長は、「ロシアは自らの名誉のために、スポーツの高潔性とイメージに大打撃を与えた」と述べ、「道徳を欠いた手段を用いたロシアのメダル獲得は本当に不快だ」と語った。

 ロシアは2014年ソチ冬季五輪で、政府とスポーツ省が一体となって組織的なドーピングを行っていたとするマクラーレン氏の調査報告書を否定している。(c)AFP