【8月5日 AFP】(記事更新)国際オリンピック委員会(IOC)は4日、ドーピング問題で出場禁止処分を科された118人を除き、ロシア選手271人についてリオデジャネイロ五輪出場を認めた。これで国家ぐるみによる大規模なドーピングを指摘されたロシアは、5日に開幕するリオ五輪にこの100年間で同国史上最も小規模な選手団を送り込むことになった。

 ロシア・オリンピック委員会(ROC)のアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長は、 今回の選手団について、厳しい検査やチェック体制が実施されてきたことを理由に「おそらくリオ五輪で最もクリーンである」と強調した。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)では現在もロシア選手の審理が進められており、同国選手団の人数はさらに増える可能性がある。

 しかし、IOCはロシア選手がリオ五輪に出場するためには、追加で「厳格な」検査を受ける必要があるとして、「このプログラムを受けられない選手は、IOCから即座に認定資格をはく奪されることになる」と述べた。

 ロシアは当初、リオ五輪の代表選手団に389人を登録していたが、世界反ドーピング機関(WADA)の調査報告書で、同国がスポーツ省や諜報機関など政府主導のドーピングを行っていたことが指摘され、五輪史上最大のスキャンダルに発展した。

 この問題を受けて、IOCは選手の出場の可否を各競技連盟の判断に委ね、それを基にIOCメンバー3人が最終決定を下すことにした。

 国際水泳連盟(FINA)によれば、リオ五輪に出場する選手で、WADAの独立調査官リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏による報告書のなかに名前が挙がっていた31人のうち、ロシアの水泳選手2人の名前が含まれていたという。

 一方、この日はカヌーのアンドレイ・クライトル(Andre Kraitor)がCASの裁定で勝訴し、ロシア代表チームに復帰している。(c)AFP/Rob Woollard