【8月6日 AFP】ブラジルで5日に開幕したリオデジャネイロ五輪で、国家ぐるみのドーピングが指摘されたロシアの選手団は、競泳女子平泳ぎのユリア・エフィモワ(Yulia Efimova)選手ら競泳選手5人の出場資格はく奪に対する不服申し立てをスポーツ仲裁裁判所(CAS)が認める判断を下し、少なくとも276人の選手が出場することになった。

 ロシア選手団のイゴール・カジコフ(Igor Kazikov)団長は国営タス通信(TASS)に対し、競泳選手全員のCASへの申し立てが認められたと語った。さらにレスリングとセーリングの2人の選手がCASに不服申し立てを行っており、ロシアの出場選手はさらに増える可能性がある。

 五輪開幕直前のここ数日のうちに下されたCASの判断により、出場が認められる選手が増えるたびにロシア・オリンピック委員会(ROC)は祝福している。しかし、5日の開会式で会場のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)にロシア選手団が入場した際に起きた拍手は微温的なものだった。

 一方、ロシアによる国家ぐるみのドーピングが発覚するきっかけとなる内部告発をした陸上女子800メートルのユリア・ステパノワ(Yuliya Stepanova、旧姓:リサノワ〈Rusanova〉)選手は、リオ五輪出場禁止措置に対する最後の不服申し立てを行わない意向を明らかにした。

 前回12年のロンドン五輪には436人が出場し、金メダル24個を含む82個のメダルを獲得したロシアは、リオ五輪に当初、選手389人の出場を予定していたが、約110人の出場が認められず、この100年間で最も少ない選手団となっている。(c)AFP